伊達男が生んだアグリテックの全貌

企業情報

企業名:XFARM
起業年:2017年 
創業者 : Martino Poretti 
従業員数:  11 
企業URL:https://xfarm.ag//

イタリアの農業事情とXFARM

丘陵地や山岳地も農用地として活用されるイタリアは、日本よりも国土が小さいにも関わらず、農地面積は日本の倍となっている。

なんと国土の45%が農地割合で、EU農業生産額の13%(2014年時点)を占めており、小規模零細農家が多く有機栽培も盛んでもその手法を一目みようとイタリア視察に出かけている日本人が多いのも事実だ。

農業が盛んなイタリアにおいて、注目の「XFARM」は創業者のMatteo Vanottiが兄弟ともに経営している農業会社の業務を効率的にするために生まれたアグリテックスタートアップ。

SalvatoreFerulloと研究開発責任者のMartinoPorettiも参画し、ユーザビリティが非常に高い同社のプロダクトはシリーズAで3Mドルの出資を受け、事業成長をさらに加速させた。

サービス内容

XFARMは田畑データの収集と分析を簡素化、農業にかかわる複雑な事務処理を削減、さらに産物のトレーサビリティを可能にすることで、農家をデジタル時代に導く可能性秘めたプラットフォームサービスだ。

同社デジタルプラットフォーム内には無料の農場管理ソフトウェア、IoTフィールドセンサー、および財務管理、施肥計画、ブロックチェーントレーサビリティ、高度なレポート、病気のパターンとアラート、灌漑アドバイス、農業気象予測など様々な機能が搭載されている。

デジタルプラットフォームでどのデバイスからも管理が可能で、数十のモジュールを搭載している。衛星と土地登記所のデータを利用し、自身のフィールドをすべて視覚化することによって肥沃や農作物の情報を確認、気象データも独自のセンサリング技術で自動的に収集することができる。

そのデータを基に水分が足りていない箇所、土の品質が良くない場所、日照量が足りていないなどを判別し、施肥から収穫までのいくつもの状況に対して最適なアクション展開が可能。

出典: ※同社のウェブサイト

また自社の倉庫にある作物を育てるための肥料・農薬も管理することができるため、急な欠品を防ぐことができる。自社で保有している農業機械が今どこで稼働しているかも確認することができるため、輸送や収穫を追跡が容易なのだ。

広大な土地を管理しなければいけないが目視で確認しなくてもデバイスで確認することができればそれだけで無駄な業務削減をすることができる。

さらに、XFARMが開発したIoTセンサーはコンパクトでありながら、効果的な太陽光発電パネルを設置しているため、晴れの少ない日でも効率的にエネルギー蓄える仕組みとなっている。

出典: ※同社のウェブサイト

電力がなくても2週間十分なエネルギーを蓄えることができるバッテリーが装備されており、悪天候でも動作し続ける耐久性があるのでこまめに確認しなくても良い分、手間を省け、従来のコア業務に集中できるようにしている。

XFARMのマネタイズポイント

 

最後に

産業構造が多様化している現代において、世界的に農業分野における新規就業者は減少傾向にある。

少人数経営が必要不可欠になった今、デジタルパワーで農業の業務を変革できるXFARMのプロダクトは業界に多大なインパクトを与えそうだ。

当たり前においしいものをいつでも食すことができる世の中を支えている農家の方がより働きやすくなってほしいと願っている。