MaaSビジネスの「最大の課題」を解決、米のTortoise未来予想図

企業情報

企業名:Tortoise 
起業年:2019年
創業者:David Graham, Dmitry Shevelenko
従業員数: 11-50
企業URL:https://www.tortoise.dev/

Tortoiseとは

Tortoiseは 、無人のスクーターやカートを遠方から操作する自動再配置オペレーティングシステムを開発する、アメリカの最先端テクノロジー企業だ。

昨今、世界中で自転車やスクーターを活用した「モビリティ・シェアリング・サービス」が流行している。例えば、現在地から近いパーキングエリアを探し、携帯で鍵のロック解除を行い、一定期間乗り物を借りて、また近くのパーキングに戻す仕組みである。このサービスは非常に便利な一方で、ひとつ大きな弱点がある。

それは、現在地の近くにレンタル場所がない場合、サービスを利用できないこと。
また、乗り物を「近くのパーキング」に戻す必要があることだ。

つまり、利用者の目的地近辺にパーキングエリアがない場合、ずっと借り続けるか、目的地から遠い場所まで移動しなければならない。また、レンタル場所が近くにない場合、全く役に立たない。

将来、利用者が好きな場所に乗り物を呼ぶことができ、どこでも駐輪することができるようになる。乗り物が自動的に近くのパーキングエリアに戻る。こんなファンタジーな夢のある世界を描き、実現させているのがTortoiseだ。

創業者のDavid氏はLyft、マイクロソフトやサムスンなどの名だたる企業で最先端テクノロジー分野を学び、共同創業者であるDmitry氏はUberで様々な経営戦略に携わった。それぞれの経験から、上記のモビリティ産業の共通した最大の課題を見つけ、解決するために、Tortoiseを創業。

電気スクターやカートを利用するため、世界の環境負荷の低減を促進し、都会の車や電車が混雑する社会問題を解決する。社会問題解決型の注目スタートアップIT企業だ。

 

サービス内容と特徴

サービスのポイントは、自動再配置オペレーティングシステムを販売すること。

通常、モビリティサービスを展開する企業は、スクーターや充電パーキングなどの物理的な物を提供するが、Tortoiseは「乗り物に装備するカメラや機器とオペレーティングシステム」をモビリティサービス提供社に販売して稼ぐ。

ビジネスモデルとしては、ハードウェアはUS100$でソフトウェアは自動運転の時間に対して使用料を課金。同社はこれを「Repositioning as a service 」と名づける。また、自動運転の操作はメキシコシティのサポートセンターから遠隔で行うが、将来的には、全て機械で自動的に操作する計画だ。



実際に動画にあったように、GoX社と連携して、米ジョージア州アトランタ郊外にあるピーチツリー・コーナーズ市でサービスを開始。最近では、コロナの影響もあって、乗り物の消毒を頻繁に行う必要がでできたが、それでも従来のサービスよりも大幅にコスト削減することができるとのことだ。

また、同社がもうひとつ手がけているユニークなサービスは、運送業者を肩代わりする自動運送カートだ。車やトラックのように長距離を走り、大きな荷物を運ぶことができないが、小さなカートを遠隔して、地域間で荷物を運ぶ。

@tortoisecart

Say Hi to the Tortoise Cart

♬ I’m Coming Out – Diana Ross

※同社のTiktokより掲載

昨今、運送業者の人手不足が世界的な問題になっているが、このサービスが実現すれば、解決できるかもしれない。

最後に

多くの車メーカーが自動運転の開発に力をいれて、Tortoizeのようなスタートアップ企業がマイクロモビリティのエコシステムを作る。

昔、憧れたスターウォーズの「空飛ぶバイク」やドラゴンボールの「筋斗雲」が、近々現実の世界にやってくるのではないか。将来が非常に楽しみである。