ビジネス向けの音楽サブスクアプリSoundsuit

Soundsuitとは?

Soundsuitはドイツのミュンヘンで生まれた企業で、ビジネス向けの音楽定額配信サービスを提供する。

音楽配信サービスはそう新しくはない。レンタルビデオショップでCDを借り自分好みのプレイリストを作っていたのも90年代~2000年代前半まで。iTunesが2001年に誕生し、音楽をネット上で購入できるようになり身近なものに。その後定額で利用できるApple MusicやSpotify、音楽無料共有サービスのSoundcloud、YouTube等の普及により、生活の一部といえるまで音楽は近い存在となる。

現に、日本での音楽配信市場は年々伸びており、2019年には前年比10%増、今後も拡大していくことが予測されている。(出典:ICT総研「2020年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」)

一方で、上記サービスは殆ど個人が対象となっており、法人が商用利用する場合は認められていないことが多い。バーやレストランといった飲食店や身体を動かすジム等のビジネスは比較的音楽と距離が近く、ビジネスを構成する主な要因の一つといえる。それをサポートするのがこのSoundsuitというサービスだ。

企業情報

企業名:Soundsuit

創業年:2017年

創業者:Kalisa Irving, Mikael Bourdon

創業国:ドイツ

従業員数:5人

企業URL:https://soundsuit.fm/

サービスの特徴

1.ビジネスに合わせたプレイリストの作成

 ビジネスのタイプ、年齢や性別等のターゲット層、ブランドポジションを選択するだけで、カスタマイズされたプレイリストを選択・提示する。これによりエンドユーザーに最善の顧客体験をもたらすだけでなく、レストラン側の業務効率化も実現する。従来であれば一から曲を選び構成を考え、営業する時間帯によってプレイリストを変更してきただろう。Soundsuitがあれば初期設定不要のうえ、時間帯により曲や音量まで調整してくれるため、半永久的に手間をかける必要が無くなる。AI機能を備えたSoundsuit、いわばAI(人工知能)DJにより、一日を通して最高のミュージック体験が提供される。これがSoundsuit最大の特徴だ。

Soundsuitウェブサイトより抜粋

2.著作権料込の料金プラン(地域・ビジネス形態による)

 Apple MusicやSpotifyは最も人気な音楽配信サービスのひとつだが、商用利用が許可されていない。Soundsuitは料金プランに音楽利用料が含まれるため、追加徴収されず手間が省ける(アメリカ、カナダの場合。ただし、エアロビのようなダンスを伴うサービスやカラオケの場合は、追加で支払わなければならない可能性がある)。地域によって細かな違いはあるものの、2021年2月現在、40か国以上で商業利用のライセンスを取得する。

3.無料トライアルあり

 30日間の無料トライアル期間が付与される。多くのサブスクリプションサービスとは異なり、クレジットカードの登録が必須でもなければ、自動購読に切り替わることもない。必要なのは氏名と会社名、Emailアドレスのみだ。

4.常に最新で関連性のあるプレイリスト

 世界有数のDJやジャーナリストと連携しているため、最新で高品質な音楽を提供。音楽を提供した先の顧客満足度を意識し、音楽とプレイリストが制作されている。

 

ビジネスモデルと収益源

Soundsuitビジネスモデル

Soundsuitアプリ・サービス利用料で収益を得る。月々プランが1つ用意されており、$29.95。1店舗のみの利用。年契約プランは2つあり、1店舗のみの$24.95/月、複数店舗のプランはカスタマイズプランで、要相談となっている。

 

まとめ

Soundsuitは、これまで店主のセンス頼みだった選曲という行為に着目し、それをAIによって効率化・最適化し、最高の顧客体験に繋げようと試みている。同社によると、

・店内客の91%は買い物中に適切な音楽に影響される

・ランダムな音楽と比較した場合、顧客のことを考えた音楽を流した場合9%売上アップ

といった定量的な効果も公表されている。

なるほど確かに店長の曲のセンスによってビジネスが左右されるのであれば、オーナーとしてはSoundsuitを利用する動機がはたらくだろう。「AI(人工知能)DJが客をロックしすぎて回転率が下がった」なんて日が来ないことを祈ろう。

 

筆者
財前 ワタル。Business Earthライター。経営コンサルティング会社でコンサルタント、リサーチャーを担当した後、拠点を北米に移し、広告代理店に勤務。現在は再度日本に拠点を移し、フリーランスとして広告運用、市場調査(主に北米)、記事執筆を生業とする。