Calendlyとは?
Calendlyとは、世界中のスケジュール調整を変革し、スケジュール調整において良いユーザー体験を提供することを目指す会社だ。具体的には、他のカレンダーアプリと連携し、直感的でスムースなスケジュール調整体験を提供している。
コロナ禍という追い風もあってか、2021年1月には3億5000万ドルの資金調達に成功。全世界でのユーザー数は一月当たり1000万ユーザー、サブスクリプションの売上は7000万ドルに達したと同社は発表している。
創業者は、Tope Awatona。上記の成功がすぐに手に入ったわけではない。彼はナイジェリアで育ち、10代の頃にアメリカへ移り住んだ。大学卒業当初はセールスとしてIBMに勤務。その後、長い間夢見ていた起業家の道を志す。ただ、すぐに成功は掴めず、Calendlyの前に3社のスタートアップ立上げに挑戦した過去がある。1つ目はマッチングアプリの立上げを試みるものの、すぐにリソース不足などから諦めた。2つ目はプロジェクターを売るEコマースサイトの運営だ。しかし結果は芳しくなく、彼自身もプロジェクターに興味が無かった。3つ目は別のEコマースサイトでグリルを販売した。だが彼は同じ問題に直面。結果的に、お金儲けのことだけ考えていたことに気づく。そして翌年ある発見をする。メールでの日程調整のやりとりが行ったり来たりすることに課題意識を抱くようになったのだ。同時期に他の類似サービスも調べたが、多くが使いにくかった。そして彼は、この分野に全てを懸けることを決意。今となっては注目のベンチャー企業の創業者だ。
企業情報
企業名:Calendly
創業年:2013年
創業者:Tope Awotona
創業国:アメリカ合衆国
従業員数:228人
企業URL:https://calendly.com/
サービスの特徴
1.スケジュール調整が1発で完了
スケジュール調整はCalendlyのプラットフォーム上で完結。カレンダーアプリとの連携により自動的にスケジュール確定とその連絡を行ってくれる仕組みだ。さらに勤務時間の指定も可能。フリーランスだけでなく、会社員の働き方改革にも対応できる。
※Calendlyのサービス画面より筆者抜粋。
2.豊富な連携先
Googleといったカレンダーアプリだけでなく、メール、チャット等のサービスとも連携している。例:Zoom、MicrosoftTeams、Zapier、Google Analytics、Paypal、Hupspot。
※Calendlyのサービス画面より筆者抜粋。
3.メールアドレスのみで手軽にスタート
登録時に必要なのはメールアドレスと名前のみ。他のサブスクリプションサービスに見られるような、クレジットカードの登録は一切要求されない。
ビジネスモデルと収益源
ユーザーからの利用料で収益を得ており、以下の3つのプランが用意されている。
・ベーシックプラン:無料
・プレミアムプラン:8ドル/月
・プロプラン:12ドル/月
※全て年契約の料金
グレードがあがるほど、連携できるカレンダーやアプリの数が増えるという仕組みで、例えばプロプランだと、SalesforceやGoogle Analyticsとの連携が可能だ。
まとめ
コロナ以前では、オフィスに出社するのが多数派を占めており、「口頭(対面)で日程調整したほうが早い」と考える人も多かっただろう。たしかに、自身のカレンダー確認、メール作成とやり取り、仮予定のキャンセル等含めると、日程調整だけで30分以上費やしてしまうこともあっただろう。しかしそれは既に昔の話になってしまったようだ。
未だに出口の見えないコロナ禍において、全てを遠隔で行う前提でビジネスを進めなければならない。これはCalendlyにとって追い風となっただろう。日本ではまだ普及していないが、今後の動きに注目したい。
筆者
財前 ワタル。Business Earthライター。経営コンサルティング会社でコンサルタント、リサーチャーを担当した後、拠点を北米に移し、広告代理店に勤務。現在は再度日本に拠点を移し、フリーランスとして広告運用、市場調査(主に北米)、記事執筆を生業とする。