企業情報
企業名:Airtable
創業年:2013年
創業者:Howie Liu, Andrew Ofstad, Emmett Nicholas
創業国:アメリカ合衆国
従業員数:390人(2021年2月時点、LinkedInより)
企業URL:https://airtable.com/
会社概要
Airtableは、データベースをクラウドで提供するサービスだ。用途は幅広く、プロジェクト管理、コンテンツマネジメント、応募者管理等が挙げられており、様々な業務が1か所で全て完結するとされている。日本でいうと、スプレッドシート、Microsoft Access、kintoneを足したもの、と言い換えるとイメージしやすいのではないだろうか。(下記画像はAirtableウェブサイトより抜粋)
Airtableの共同創業者の一人であるLiuは、ビジネスシーンにおけるスプレッドシートが、ポテンシャルを最大限に活かされないまま使われていることを認識する。同時にそれは、Microsoftがスプレッドシートを開発してから20年間ほぼ変化が見られなかったことに問題があるという気づきでもあった。そこでLiuはこの問題を解決すべく、単なるスプレッドシートに留まらずユーザーがこれまでにないほど意のままに操れるデータベースの開発に着手。これがAirtableの出発点だ。
Liuは共同創業者のAndrewと最低限の品質の製品を開発して直ぐに、最初の出資を募りAirtableを2013年に発足。その後も2016年までの間にもいくつかの資金調達に成功し、その調達資金の全てを利用者の拡大と製品の改良に使用したとされている。それが功を奏してか、2017年にはAirbnbやTesla、WeWorkといったビッグネームも顧客に取り込むことに成功した。2018年には10億ドル以上の評価を投資家から得ており、ユニコーン企業の呼び名も獲得した。間違いなく注目の企業といえるだろう。
※追記:2020年9月の資金調達後には評価額が25億ドル以上に達した。
サービスの特徴
1.直感的な操作が可能
Microsoft Accessを操作した経験のある人であれば想像に難くないだろうが、Excelほどの操作性は備わっていない。とはいえExcelでは膨大なデータを扱えるほどのキャパシティはない。どちらの問題も解消したのがAirtableだ。複数のデータのかけ合わせやプロジェクトの進捗管理を1か所で実現し、かつ複雑な操作やコーディングは必要としない(ノーコード)のがAirtableの大きな特徴であると言える。(下記イメージはAirtableウェブサイトより抜粋)
尚2021年2月現在、無料のトライアルプランが用意されており、Googleのアドレスでの登録が可能だ。登録後すぐに、幅広い用途を選択できる仕組みだ。
2.手軽に始められる
ここではプロジェクト管理のケースを例に紹介する。スタート時に3つの選択肢がある。
・ゼロから自分で作り上げる
・元々保有しているデータをインポートする
・テンプレートで始める
3.他社連携先も豊富
単なるプロジェクト管理だけでなくコミュニケーションも考慮に入れられており、他社連携先が豊富だ。ウェブサイトで紹介されている範囲でも、Gmail、Spreadsheet、MicrosoftTeams、Twitter、Facebook、Slackなどの主要サービスをおさえている。
4.クラウドサービスならではの利便性
当然ながらアプリも用意されており、1か所に記載した情報がパソコンだけでなくスマートフォンのアプリ上でも管理・閲覧ができ、高い利便性を提供する。
サービス動画
Airtableのビジネスモデルと収益源
ユーザーから利用料を徴収し収益を得ている。プランは基本的に3つあり、1ユーザー当たり$0/月、$12/月、$24/月が用意されている。それ以上のプランについてはオーダーメイドプランのため要問合せ。ちなみに年契約の場合は割引があるようだ。(下記画像はAirtableウェブサイトより抜粋)
まとめ
ビジネスモデルはいたってシンプルだが、Airtableがここまで拡大した最大の要因はその使いやすさだ。言語の対応はもちろんだが、ソフトウェアの知識レベルに関わらず誰でも操作できるという点にこだわり続けた結果だといえる。現に同社は、ソフトウェアがどう動くかを規定するのではなく、人間がどう動くかを規定するべきだと掲げる。
振り返ってみると、以前は高い専門性が必要とされていたウェブサイト制作も、今となっては誰でも簡単に作れる時代となった。誰でも簡単にデータベースを構築する日が来るのはそう遠くないだろう。