企業情報
企業名:AirGarage
起業年:2018年
創業者 : Jonathon Barkl, Scott Fitsmones, Chelsea Border
従業員数: 12人
創業国 : アメリカ合衆国
企業URL:https://airgara.ge/
会社概要
AirGarageは、駐車場の慢性的不足の解消を目指すスタートアップ企業だ。この駐車場問題を解決することで、駐車場所に困る利用者の手助けになるだけでなく、駐車場のオーナーに対しても売上面で貢献することを目指している。
アリゾナ州立大学に通っていたスコット、チェルシー、ジョナソンは、大学の駐車場に支払う馬鹿げた金額にうんざりしていた。一方で、近くの私道に目を向けてみると空車になっている。彼らがその家のドアを叩き事情を説明すると、駐車場の持ち主は大学の駐車料金より遥かに安い金額で、快く駐車場の利用を許可してくれた。同社のビジネスはこの一般的ともいえる課題とその解決から出発した。
アメリカの平均的な都市では、土地面積の37%が駐車場に割かれており、さらには、車1台当たり8つのパーキングスペースを占めることも推測されている。これは、駐車場の多くが、必要な時に確実に駐車できるよう、空きの状態で確保されていることが理由として挙げられており、多くの都市では過剰に駐車スペースを抱えていることになる。これが、駐車場が高価かつ見つけることが難しくなっている一因となっていることを同社はつきとめた。こうして、私有地のオーナーが空いているスペースを公共のために解放するサービスに行き着いたのだ。
サービスの特徴
1.シンプルな導入フロー
駐車場のオーナーはAirGarage専用の看板を設置し、駐車場管理用のダッシュボードを立ち上げ、その他設定を完了すると導入は完了だ。取締の回数はオーナーによって異なるが、いくつかの場所ではカメラを設置しナンバープレートの読み取りをリアルタイムで行っている。
2.ダイナミックプライシングの適用
利用率上げ収益を最大化するために、マーケット状況を分析しAirGarage側が適切な価格を提示。
3.オーナーに対する十分な情報提供
従来型の単なる駐車場管理とは一線を画し、リアルタイムで明確なデータを提供する。透明性の高いデータ提供で、現状把握と正確な将来予測が可能となる。(下記画像はAirGarageが公表するダッシュボードのイメージ画像)
※同社ウェブサイトより抜粋(https://airgara.ge/)
AirGarageのビジネスモデルと収益源
収益源と価格設定はいたってシンプルだ。駐車料金を利用者から徴収する。従来の駐車場のように、違反駐車には罰金が科される。駐車料金収入の7割を駐車場のオーナーが、残りの3割をAirGarage側が得る仕組みである。
※同社ウェブサイトより抜粋(https://airgara.ge/)
まとめ
同社のサービスは個人のみならず、フィットネスジムやホテル、教会やその他中小企業も取引先として公表されている。なるほど確かに、ホテルやフィットネスジム等のハコが必要なビジネスにとって駐車場の空きは機会損失となるため、同社のサービスを利用することはその損失を補う手段として有効だ。国土の広いアメリカで注目されているサービスだが、同様のニーズは日本の方があるはずだ。類似サービスが近い将来、日本国内でも出てくることに期待したい。
筆者
財前 ワタル。Business Earthライター。経営コンサルティング会社でコンサルタント、リサーチャーを担当した後、拠点を北米に移し、広告代理店に勤務。現在は再度日本に拠点を移し、フリーランスとして広告運用、市場調査(主に北米)、記事執筆を生業とする。